祖母から受け継いだ思い出の詰まった古民家をリフォームしたい、そんなクライアントの思いが形になったのが今回ご紹介する住まいです。SUNOMAが手掛けたこちらの住宅には、築70年の風情ある日本家屋の良さを活かしつつ、現代の生活に合ったモダンな空間が広がります。皆が集い団らんを囲むLDKを中心として、家族が仲良く暮らせる住まい、詳しく見て行くことにしましょう。
もともと1階部分は明るい色の外壁でしたが、リフォーム後はレッドシダ―が格子状に貼られ、2階部分や瓦屋根ともマッチするナチュラルで落ち着いた佇まいとなっています。
こちらは坪庭部分を外部から見た様子です。格子の隙間からあたたかな光が漏れ、建物自体が美しい照明のようです。またこの坪庭部分の格子は取り外し可能のため、空間の開き方を自在に変化させることができます。
玄関ホールには右手に土足で入ることのできる通り土間が設けられ、そこを抜けると畳コーナーへとつながります。広々と開放感があり、その先に広がる空間との心地よいつながりも感じられるスペースです。近所の人とのちょっとしたおしゃべりならここだけで十分に楽しめそうですね。
手前にはリビングおよび畳コーナー、そして通り土間を介して奥には坪庭を望みます。坪庭の部分にはもともと納戸があったそうですが、それを減築することで光と風の通る気持ち良い空間が実現しました。畳コーナーもオープンスペースとすることで他の空間とのつながりを感じられるモダンなものとなっています。
そしてこちらはリビングの様子。一部に見て取れる趣あるオリジナルの材と、木の内装がとてもよく調和していますね。田の字型の和室の間仕切りを撤去し、一続きの空間とすることで広々とした明るい空間に生まれ変わりました。廊下との間も完全に仕切らず緩やかにゾーニングされ、また上部も視線が抜けるように計画することで空間により広がりを感じることができます。
ダイニング及びキッチンを望みます。上部は、既存の天井が撤去され、吹き抜けが設けられました。燦々と降り注ぐ太陽がとても清々しい空間です。ここでも空間を完全に仕切ることをせず、LDKで時間を過ごす家族同士が気配を感じあえるよう配慮されています。
既存の和室部分に計画された子供室。天井を撤去した際に現れた小屋裏の丸太梁を活かしたロフトが新たに設えられ、子供心をくすぐる楽しいスペースへと生まれ変わりました。また庭を眺めることができる窓も新たに設けられ、光と風の通る居心地の良い空間となっています。
アルミ製のサンルームには木製のルーバーが貼られ、ナチュラルで温かみのある雰囲気となっています。ルーバーが生み出す光と影が変化する様子ををゆったりとした時間の中で楽しむことができます。ほっと一息つくには最適な空間ですね。