和室あるいは畳コーナーを住まいに取り入れたいという方も最近多くいらっしゃいます。しかし、そうした畳のある部屋を家のどこに配置するのか、そしてどれくらいの広さにすればいいのかで悩まれると思います。それを決めていく上で大切になることの1つが、そこをどのように使っていくかをきちんと考えていくことです。そこで今回は、和室や畳コーナーを上手につくるために知っておきたい使い方について詳しく見ていきましょう。
和室や畳コーナーの使い方として最も一般的なのは、ゲストをもてなしたり、友人や親戚であればそこで泊まってもらうというゲストルームでしょう。というのも、畳の部屋であれば、ベッドではなく布団を、テーブルではなく座卓といった簡単に動かせる家具が使われるので、ゲストに様々なかたちで使ってもらうことができながら、日常的には家族が自由に使えるというフレキシブルな部屋になってくれるという魅力があるからです。
まだ子どもが小さいという子育て世代にとっては、和室や畳コーナーを子どものためのスペースとして使うこともおすすめです。通常のフローリングよりも畳は柔らかいことから、万が一、子どもが遊んでいて転倒などしても大きな怪我を避けることができますし、昼寝スペースとしても最適です。こうした使い方をするのであれば、畳コーナーをリビングやキッチンの隣に配置して、常に子どもの様子を見届けられるプランニングをしていくといいでしょう。
ベッドより畳の上に布団を敷いて寝たいという方は、和室を寝室として使うことになるでしょう。上でも述べたように、布団を押し入れにしまえば、日中は他の目的にも和室を使えることから、家があまり広くないという家庭にもおすすめです。また、子どもが思春期になり、個室が必要になるまでは家族一緒に寝たいという方にとっても、和室であれば、家族全員が寝られるような大きなベッドを用意する必要がなく、人数分の布団を出すだけで家族みんなが横になれるスペースをすぐにつくることができる便利な部屋となってくれます。
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※ 寝室の写真ページ
アイロンがけをしたり、洗濯物をたたんだりする家事スペースとして使われることも多々あります。アイロンがけも畳に座りながらすることができますし、洗濯物も畳の上に広げてたたむことができるので、畳スペースは様々な家事をするのに適した場所なのです。この場合の間取りを考えていく際のポイントは、家事動線を考慮しながら、家事をする際の移動が少なくなるようにすること、そしてアイロン台など家事に必要な物をきちんと収納スペースに収められるように押し入れなどの大きさを決めていくことになります。
二世帯住宅の個室として和室を取り入れる住まいもあります。家を建てる前から二世帯住宅の個室として和室を計画することもあるでしょうが、親世帯と一緒に住むことを将来的に計画している方もいらっしゃるでしょう。そうした場合でも、始めは多目的に和室を使い、親世帯が引っ越してきたら個室として使ってもらうといったフレキシブルな計画をしていくことも可能となります。この場合のプランニングのポイントは、リビングなどの共用スペースと和室の距離を近すぎず遠すぎない場所に配置していくことです。
写真:Shigeo Ogawa
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