外観にぴったり合う完璧な色調

最も古典的な選択は明るい外壁と暗い屋根という組み合わせです。明るい壁は温かみがあり、かつ周囲の環境に溶け込みます。よく使われるのは白、ベージュ、ソフトな黄色、そして薄いオレンジ色です。明るい色の外観はほとんど間違いありません。大きな家屋であっても明るい色の外観は暗い外壁とは異なり、景観に干渉しません。

外観の色調はしばしば地域の環境に左右されます。街並の全体的な雰囲気を乱さないために、住宅所有者は自宅の外観を冷静に判断する必要があります。特別な条例のある地域では、限定的な色しか使用できない場合があります。究極の目標は建物、屋根、庭、そして環境とすべてに調和がとれることです。

チャコールグレーやダークブラウンのような色調の暗い屋根はエレガントでシックな雰囲気となります。レンガの壁であれば汚れが目立ちません。色や素材によって異なる利点があることを覚えておいて下さい。

こちらの住宅は屋根と外壁の色調を合わせています。壁にベージュを選ぶなら、屋根もベージュやライトブラウンなど同系色にすると統一感のある外観となります。

この場合は窓枠や手すり、庭のフェンスも色合いを統一するのがおすすめです。こういった色調の外観は敷地に余裕があり、隣家や他の建物で家が圧迫されていないときに最も効果的です。アイキャッチのためには鮮やかな色は必ずしも必要でないのです。

外観に適切な色を探すには、自分自身に「うちはどんな家？」と尋ねてみましょう。独立した家？二世帯住宅？二つ以上のボリュームがありますか？家の大きさと日射量も重要な判断材料です。これは暗い色の外観が周囲にフィットするかどうかの基準となります。

ほとんどの住宅所有者は明るいファサードと暗い屋根という古典的な色調を選択します。しかし、イギリスの建築家によるこちらのカントリーハウスのように明るい屋根と暗い外壁という組み合わせは、ユニークで印象的な外観と作成します。こういった家は豊かな自然環境と大きな庭があるのが理想的です。芝生の緑とダークブラウンの外壁によって、落ち着きと豊かさを感じさせるアースカラーの色調を持った外観となります。

ガラス、木材、金属、石、または古典的な塗り壁？ひとつに決めなければならないというルールはありません。複数の素材をうまくミックスすれば現代的で個性的なスタイルの外観を作成できます。石柱をシンプルな外観と組み合わせたり、金属の手すりを加えてほんのりインダストリアルに、または木材を加えれば外観に自然な表情を簡単に加えることができます。

あなたが外観の色に迷い、もうあまり考えたくないというならガラスを選ぶことも可能です。ガラスの壁は明るく開放的な内部を作成しますが、もちろん外からの視線も室内へ入って来ることになるので適切なブラインドやルーバーについて考えるべきです。

一般的にはまず、家のコンセプトと環境への影響を認識しておく必要があります。具体的にはまず2つか3つの素材を決め、全体の印象がちぐはぐにならないよう気をつけましょう。

一般的に外観の色はライトグレーなどを始めとする明るくソフトな色が間違いの無い選択肢です。と言うのも外観のデザインは長期的に続くものなので飽きのこないシンプルな色がおすすめであること、さらに外壁は土壌や天気などの外的影響を受けるためです。

アースカラーの塗料は通常、無機顔料を含む塗料よりも耐光性が低い有機顔料のみで作られています。森の中に立つ、木材の外壁を持つカントリーハウスにショッキングピンクの塗料を選びますか？多くの人は選ばないと思います。豊かな自然の中に立つ家が暗い緑色の外観なら、環境によく馴染み、素敵な佇まいとなるはずです。

家自体のスタイルが印象的で特別なものなら、外観の色は主張させる必要はありません。

外観に無彩色以外の色を使ってみたいけれど失敗したくない、差し色的にカラフルな色を取り入れてみたい、という場合は大きな面積を占める外壁はオフホワイトやライトベージュなどの中間色を選び、屋根にカラフルな色を選ぶのがおすすめです。こちらのようなオレンジや彩度を落とした赤などを屋根に使用すると温かみのある家庭的な雰囲気、かつ華やかな印象の外観となります！

外壁に大理石や金が使用され華美な印象を与えるバロック様式の建築。国や年代によりややスタイルが異なりますが、例えばドイツでは外観の色は白、グレー、黒に加えて黄色や赤の砂岩、そして大理石の天然色がよく使用されていました。その後の年代ではカラフルな色が使用され、よりコントラストのある外観も生まれています。日本の住宅に応用するなら、外壁と屋根を含め同系色の二色ないし三色でまとめると統一感のある外観となります。

ルネサンス様式の建物は壮麗かつ重厚な石造りで見る人を圧倒します。外壁は基本的に石材か漆喰で作られており、彩色する場合は白い壁に暗い灰色、茶色、赤などの色調が優先的に使用されました。細部までこだわりを感じさせるディテールと装飾的な要素が多くあるにも関わらず、実はルネサンス様式のファサードはカラーデザインの明確なルールを提示していません。日本でルネサンス様式を感じさせる豪華な住宅を建てるなら、外観の色にこだわるよりも、使用する石材本来の色を生かすデザインがいいかもしれません。

はっきりとした幾何学的形状の石材を使用した大きくどっしりとしたボリュームに、たくさんの装飾と小さな窓があるのがロマネスク様式の外観の特徴です。外壁素材の天然石もそのまま使用するのではなく、多くの場合色を使ったカラフルな装飾を施されていました。温かみのあるピンクの混じったフェミニンなベージュの外壁に石材の装飾がよく映えて、優雅で豪華な印象の外観となっています。日本の住宅で応用するなら、温かみのあるベージュ〜薄いオレンジ系の外壁に石材のアーチやテラス、装飾的な窓枠を加えるとロマネスク様式を意識したスタイルを作ることができますよ。