キッチンカウンターは、最近の住宅ではよく取り入れられているLDKで見かけるキッチンのデザイン。リビングやダイニングにいる家族や友人たちと会話をしたり気を配ったりしながら作業ができるため、人とのつながりを強く感じられる空間になります。では、オープンで使いやすいキッチンカウンターとはどんな形でしょうか。いろんなデザインのキッチンをご紹介しながら、メリット・デメリットについて考えていきましょう。
キッチンカウンターは、やはり広々としたものが作業もしやすく便利ですよね。こちらは神奈川の建築家・.8 / Tenhachiの手がけたオープンキッチン。調理スペースだけでなく、ダイニングテーブル、パソコンでの作業スペースまで兼ね備えた大きな天板がとても印象的です。テーブルスペースも広々としているため、例えば子供が宿題をしているのを間近でみながら料理をするということもできそうですし、料理の合間にパソコンで作業するという使い方も。多目的に使えるステキな空間です。
Photo: Akihide Mishima
こちらのキッチンカウンターはアイランドタイプとなっています。シンクと作業スペース、コンロとが横並びになったデザインで、背後の壁には造作された棚があり、レンジなどの調理器具が並びます。必要なものに短い距離で手が届くため、とても動線がシンプルで使いやすそうですね。カウンターの手前にはわずかに空間があるため、椅子を置いてバーのように使ったり、コンパクトな収納を取り付けたりと、いろいろ利用ができそうですね。
クレジット:RENOVESTATE
キッチンカウンターは、ダイニングやリビングに向けて設置されるため、開放的な印象の空間となりますが、来客時などには、手元がすっかり見えるデザインでは気になる、と言われるかたもいらっしゃるかもしれません。手元を隠したい場合には、こちらのように立ち上がりを付けることですっきりと見せながら、オープンな空間を保つという方法が可能になります。ただ、立ち上がりの部分を高くしすぎると、向こう側がよく見えなくなってしまうため、はじめにしっかり検討したいですね。
Photo: 萩原ヤスオ
台所のデザインによっては、例えばこちらのようにII型にレイアウトする場合、コンロとシンクのポジションをどうするかがポイントとなります。カウンター側にコンロを配置すると、オープンであるがゆえに、調理中の油が周囲に飛び散ってしまう可能性も。掃除のしやすさを重視するのであれば、コンロは壁向きに設置するのがよさそうです。調理台から食材をコンロ側に移動させるときに床が汚れる可能性もありますが、気を付けていれば動線のシンプルな使いやすい台所となりそうです。
こちらのお部屋は、ゲスト用に作られた空間。リビングと台所とがレイアウトされています。リビング向きにカウンターが配置されることによって、空間を区切ることにはなりますが、おしゃれっぽいレイアウトとなっていますね。ミニマルキッチンですが、きちんと換気扇もついていて、使い勝手はよさそうです。お部屋のライティングやいろんなタイプのタイルを使うことで、とてもオリジナルでこだわりを感じられる空間ですね。
キッチンのデザインを考えるときに、押さえておきたいポイントのひとつが、作業台の高さです。使う人の背の高さに合わせたワークトップを選ぶことで、使い勝手はかなり変わってくるはず。キッチンカウンターが低めの場合、そこをダイニングとして使おうとすると逆に低すぎるということも起こりそうです。こちらでは、ダイニングカウンターをワークトップと接する形で別に取り付けています。こうすることで、どちらの用途にもちょうどよい高さの台が実現できますね。