桜並木に面した敷地に計画された住宅です。設計を手がけたアーキプレイスが提案したのは、家の中から一年を通して桜並木を楽しむことができる住まい。シンプルなデザインでありながら周辺環境を取り入れることで豊かな暮らしのシーンが生まれる心地良い住空間が魅力的です。
都内の区画整理された住宅街にある敷地は桜並木が続く道路に面しており、隣には両親や親戚の住まいがあります。長い時を経て存在する目の前の桜の木の風景を取り入れるべく水平の連続窓を建物幅いっぱいに設けたシンプルな箱型の形態。道路境界線いっぱいに配置された建物は、周囲の視線を遮るように1階は閉じたデザインとしています。
建物に組み込まれた駐車スペースと対角線上に設けられたベランダが抜け感をもたらす外観は、シルバーのガルバリウム鋼板のタテハゼ葺き仕上げ。垂直のラインが水平方向の連続窓や小窓と共に独特なコンポジションで作り出すリズミカルな表情が目を引きます。 駐車スペースと兼ねた玄関は、周囲に濃い色の杉板を貼ってアクセントをつけています。
玄関を入ると目に入るのが吊り階段。細いスチール製のエレメントとビンテージ風の木の踏板がお洒落ですよね。軽やかな吊り階段のおかげで限られた面積でも圧迫感のない明るい玄関になりました。壁と同色の白で統一した下駄箱の下部は浮かせることで軽さを出し、さらに間接照明で高級感を演出。
北側の道路側から流れる片流れ屋根の形状が現れた天井は合板仕上げで大らかにワンルームタイプのLDKを包み込んでいます。天井の高さを利用して設けられた水平の連続窓によって、柔らかな光と豊かな桜の木の眺めを室内に程よく取り入れています。空間を構成する様々なエレメントが絶妙なバランスでスタイリッシュな雰囲気を作り出しています。
階段の途中にはピクチャーウィンドウ。上部の連続窓と共に桜の木を切り取り、借景として内部空間に取り入れています。2階には家族みんなで過ごせるパブリックな空間としてのLDKを配置しています。「桜並木沿いに佇むGreen House」でも周囲の自然環境を取り入れ、心地良い住空間を作り上げています。是非ご覧ください。
ナチュラルな木の色と白を基調にアクセントカラーでメリハリのある空間を演出。キッチンの背後はダークグレーの壁面で引き締め、スタイリッシュなキッチンに。シンクはアイランドタイプで経年変化が楽しめる味わいのある木の面材で仕上げています。高窓からの採光も十分確保していますが、さらに壁と天井の隙間に間接照明を設置し、ラグジュアリーな雰囲気も添えたLDKになっています。
キッチンからダイニングそして南側のルーフテラスへと空間は広がります。掃き出し窓を開ければフラットに繋がるテラスは使い勝手が良いので是非取り入れたい屋外空間です。キッチンも近いのでバーベキューなんかも楽しめそうですよね。
LDKから続く合板張りの天井が一体感をもたらす畳空間です。欄間にはガラス板を嵌め込み、より一層連続感を強調。シンプルな素材で構成されるミニマルな和室はコンパクトなスペースですが、多目的に使えとっても便利。隣家に面して設けた地窓からちょっとだけ見える庭の風景もまたいいですよね。上部は壁付けの収納で利便性を、そして天井の間接照明でしっとりとしたムードを演出。
小さいながらも和室とひと続きのベランダが広がりを感じさせつつ、周囲の視線を程よく遮りながら桜の木の眺めを取り入れています。軒天は室内の天井と連続し、内外空間の一体感を強調。桜の咲く季節には団らんの場の延長としてこの和室からお花見を楽しむのもいいですよね。
▶homifyで建築家を探してみませんか?募集ページで理想の建築家を見つけましょう!◀